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愛しき書物達をご紹介
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書 名 パリでひとりぼっち
著 者 鹿島茂
出版社 講談社
出版年 2006年

19世紀フランスに関する多くの著作を持っている鹿島茂氏の青春小説。
日本からの送金が途絶え、「アンリ四世校」を放校になってしまったコマキ少年がパリの街で9日間自力で生きるため奮闘する。20世紀初頭のパリのさまざまな表情を織り交ぜながら、フランス人の人生哲学や社会の仕組みなどが随所に描き込まれている。
これまでに何冊か鹿島氏の著作を読んでいるせいか、出てくるパリの描写が、あれ?これはどこかで読んだぞ!っと思わせるものが多く純粋に小説としての世界に浸れなかったのが少し残念。しかしながら、コマキ少年がパリの街で出会う人物はそれぞれにとても個性的で、その風貌や行動などを想像するのは楽しかった。
一番受けたのは、ペリーヌなる登場人物。そのまんま、アニメ「ペリーヌ物語」のペリーヌなのだ。確かに原作はフランス20世紀初頭の話なのだろうが、私にとっては、アニメのペリーヌ物語の印象しかない。小説の中のペリーヌはアニメのあの顔をして目の前に浮かんできました。
小説なのだけれど、エッセイのような不思議な一冊。
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