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愛しき書物達をご紹介
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書 名 マリー・アントワネットの調香師
     ジャン・ルイ・ファージョンの秘められた生涯~
著 者 エリザベット・ド・フェドー 訳 田村 愛
出版社 原書房
出版年 2007年

 実在の宮廷御用達香水商ジャン・ルイ・ファージョンの生涯をたどる一冊。彼の香水を愛した人々、とりわけ、マリー・アントワネットと、その周囲を華やかに取り巻いていた人々の素顔が生き生きと描き出されている。調香師ファージョンは単に鼻が利き商売上手なだけの男ではなく、哲学を愛する父親の薫陶を受け、近代的な自我と人間と社会に対する理性的な目を持っていた。それが、おそらく後年、宮廷御用達香水商であったがために投獄されたにも関わらず、すんでのところで、ギロチンの餌食にならずにすんだのではないかと思う。
 著者は一人の調香師の生涯を丹念に追っていくことで、彼の顧客であった、デュ・バリー夫人やマリー・アントワネットの日常の生活風景をも鮮やかに描き切っている。彼と同じように、宮廷に出入りしていた、服飾商ローズ・ベルタンや結髪師レオナールなどの人物も、非常に生き生きと描かれている。
 著者が女性であり、歴史家であると同時に、香水に関わる仕事をしているせいもあるかも知れない。膨大な資料から拾い上げられたエピソードが、あたかもひとつの香水のように調和し、さわやかな余韻を感じさせる。巻末の資料も充実していて、18世紀に興味がある人にも、香水に興味がある人にも、お勧めできる一冊。
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