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愛しき書物達をご紹介
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書 名 ラヴォアジェ Century Books101
著 者 中川鶴太郎
出版社 清水書院
出版年 1991年


 「人と思想」シリーズの1冊。『世界の有名な大思想家の生涯とその思想を当時の社会的背景にふれながら立体的に解明した思想の入門書』と銘打たれた一般・学生向けのシリーズだけに、とてもわかりやすく、興味を持続しやすい構成で、最期まで楽しく読めた一冊。
 近代化学の創立者と言われるラヴォアジェだが、なぜそう呼ばれているのか恥ずかしながら知りませんでした。錬金術から近代的な化学へと完全に脱皮していくのがまさにラヴォアジェ達が活躍した18世紀後半の出来事であった事に、改めて驚かされます。僅か250年前には酸素という言葉さえなかったのです。更に、ラヴォアジェは単に科学者としてだけ生きたのではなく、フランスブルボン王朝末期のルイ16世の時代に高級官僚として、また、革命後にはメートル法制定に大きな役割を果たし、ギロチンによってその50年の生涯を閉じます。
 断頭台へと彼を追いやったその理由が、彼に豊かな財力をもたらし、高価な実験器具や試薬を潤沢に用意すること可能にさせ、まさに『化学革命』を実現させた、徴税請負人という職業を断罪されてのものでした。まさに現代の化学の発展の扉を大きく開いた彼が、アンシャンレジームの清算の犠牲者となったところに、歴史の光と影を見る思いでした。もしも、この本に学生時代に出会っていたら、もう少し化学の授業に身が入ったかもしれません。
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