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愛しき書物達をご紹介
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書 名 王たちのセックス 王に愛された女達の歴史
著 者 エレノア・ハーマン 訳:高木玲
   
出版社 KKベストセラーズ
出版年 2005年

原題は「Sex with Kings」それがなぜ邦題は「王たちのセックス」になってしまうのか?原題は女性が主体と感じられるが、邦題では主体は王になってしまう。ちょっと面白くない題の付け方だ。それに、カタカナの「セックス」という言葉は、日本語の中ではあまり広い意味を持っていない。かなり具体的な行為に偏った単語に思える。恐らく、英語におけるsexという単語は、もっと広く深い意味合いを持っているはずだ。そういった意味を保った言葉で邦題をつけてほしかった。

題名はちょっといただけないが、内容はとても真面目なもの。学校で習う歴史がつまらないのは、人間の物語が排除されているからだと思う。この本に書かれているような、教科書の中で取り澄ました顔をしている王達の、あまりに人間臭いエピソードを、歴史の時間に教師が話をしてくれたら、人間達が愚かしくも真剣に、そして、今も昔もどうしようもない愛欲に悩みながら生きて歴史を作ってきたのだという事実を、学生達は知ることができるだろう。「生」という漢字に「りっしんべん=心」をつけて「性」という漢字になるのである。生きるためには心が必要で、そして、生きる為に「性」は不可欠なのである。ヨーロッパの王達とその寵姫の性生活が取り上げられた本ではあるが、男性と女性の奥深い関係は、平凡な私にも思い当たり共感できるところが沢山あった。題名にひるまず、ぜひ読んでみて欲しいものである。

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書 名 ラルース 図説世界人物百科 Ⅰ~Ⅳ+別巻
著 者 フランソワ・トレモリエール カトリーヌ・リシ
    日本語版監修 横山紘一
出版社 原書房
出版年 2004年

とりあえず、Ⅱ・Ⅲ巻を購入。高いんです。1巻6,090円也。
でも、面白いんです。三ヶ月ぐらい悩んで、結局購入。配偶者が面白いからⅠ・Ⅳも欲しいと言い出したので、資金を分捕って購入も検討中。
世界史の人物達の人生がぎゅっと詰まっています。出来事より、人物に焦点を当てているので、歴史って言うのは人間が作っているのだと実感できます。各人の肖像画があり、へえ、結構ハンサムねとか、まあ、こんな顔なの?といった楽しみ方もできます。カラー図版がたくさん乗っているのでそれをみるだけでもたのしい。さすがにフランスの出版社の物だから
フランス人についてはかなり詳しいし、人数も多いような気がします。
原書房という出版社、面白い本を沢山出しているようです。なんだか癖になりそう。
書 名 天国の門
著 者 秋月達郎
出版社 PHP研究所
発行年 2004年

上野の国立西洋美術館の収蔵品の基礎となったのは「松方コレクション」と呼ばれる松方幸次郎氏が私財を投じて「日本の若者のために西洋文化を持ち帰る」為に集められたものなのです。ヨーロッパから遠く離れた極東の島国である日本に、なぜこれほどの西洋絵画の名品が集められているのか?第二次大戦をはさみ、松方コレクションがたどった数奇な運命と美術品を廻る壮絶な人間ドラマを描いた大作です。美術好きの人はもちろん、歴史好きの方にもお勧めしたい作品です。国立西洋美術館、好きなんですよ。ぜひ、この本を読んで、行って見てください。
この本を読むと、○○エモンや○上ファンドの○上氏などの卑小さを感じずにいられません。どうせ金を使うなら100年先の為に使え!といいたくなります。

書 名 増補フランス文学案内
筆 者 渡辺一夫 鈴木力衛
出版社 岩波書店 岩波文庫別冊1
発行年 1961年

です・ます調の非常に平易な文章で書かれていて読みやすいです。年代を追ってフランス文学の流れがわかりやすく解説されています。お目当ては当然18世紀の部分だったのですが、ちゃんとはじめから読みました。もちろん、どんな一時点においても、過去からの様々な積み重ねの上に成り立つものだからです。フランス人の二面性ということについての文学面からの考察があり、とても興味を惹かれました。
書 名 十八世紀パリ生活誌 タブロー・ド・パリ(上・下)
著 者 メルシエ 編訳 原 宏
出版社 岩波書店 岩波文庫青455-1.2
発行年 1989年

「タブロー・ド・パリ」は1781年に初版が発行され、1788年に全12巻が完結している。まさにベルばらそのものの時代を同時代人が活写しているものである。編者が原典の配列にこだわらず、6つのセクション分けをして、関連のある記事をまとめてくれているので、非常に分かりやすい。2冊で2000円弱。へ~!ホ~!はあ~!と思わず声を上げてしまう。原文にはない挿絵もついている。この挿絵もなかなか興味深い。上巻の巻末には度量衡・貨幣単位と移動祝日の付録付き。記事を読むときには訳注もちゃんと確認しながら読む事をお勧めします。
書 名 シャルダン
著 者 ガブリエル・ノートン 訳 大野芳材
出版社 西村書店 アート・ライブラリー
発行年 2002年

一冊2000円と比較的安価な画集。シャルダンは最近とみにお気に入りの画家である。ロココの時代にありながら「真実と簡素」を本質とするシャルダンの作品は、独自のものとして広く人々の心を捉えた。対象を謙虚に暖かく見詰める画家の姿勢が、そのまま画面からにじみ出ているように思う。特に子供の絵が秀逸。もし、シャルダンの絵を見たことがなかったら、ぜひご覧いただきたい。

Web Gallery of Art さんで索引Cの項でCHARDINを探してみてください。
http://www.wga.hu/index1.html
書 名 黄金伝説Ⅰ~Ⅳ
著 者 ヤコブス・デ・ウォラギネ 訳 前田敬作 今村孝
出版社 人文書院
発行年 1979年

キリスト教聖人伝の中でも最も有名なものだろう。学生時代に第1巻のみ購入。四半世紀前に2800円は非常に高価だった。現在は平凡社ライブラリーで文庫化されている。1冊約2000円×4冊。もしヨーロッパのコトに関心があるなら、購入する価値あり。物語として読んでも面白い。
改めて読んでみてこれって聖書のSS?と思ってしまった。いつの時代も人は物語を求めるのだろうか?聖書でおなじみの聖人から、あまりなじみのないマイナーな聖人まで、まあ良くこれだけ集めたものだと思う。
展覧会名 ルノワール展
  会場 西武百貨店池袋展特設会場
  会期 1971年10月12日~11月24日

私が生まれて初めて行った本格的な美術展。小ぶりのカタログの糊はすでに劣化し、ページは簡単にはがれてしまう。あまり紙質も良くない所為か、すでに黄ばんでしまっている。36年も経っているのだから仕方ないだろう。ベージュ色の電車に乗って、家族で出かけた日の事を本当に良く覚えている。暖かく、柔らかく、明るい命に満ちた絵が、私の絵画に対する愛の原体験になった。会場で買ってきた白いエプロンの少女の額絵は色あせるまで、私の部屋の壁を飾っていた。

このカタログの為にルノワールの息子ジャン・ルノワール氏が「父のおもいで出」という一文を寄稿している。泣きたくなるほど暖かく優しい文章だ。生涯描くことを欲し続けたルノワールの最期の姿は本当に胸を打つ。
書 名 武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新
著 者 磯田道史
出版社 新潮社 新潮新書005
発行年 2003年

私は、人と人、人と物がめぐりあうということは、何か運命めいたものがあると思っている。著者と「金沢藩士猪山家文書」との出会いは、まさに運命の出会いとしか言えない。偶然送られてきた古文書販売目録の中に著者は大変な宝を発見する。著者がこれを宝だと直感できたのは、この古文書めぐり合うべき人間だったからに違いない。タイムカプセルと言うにはあまりに粗末なみかん箱に入った古文書を、著者は情熱を持って読み解き、天保年間から明治半ばまでの37年間に渡る「猪山家」の生々しい生活を私たちの前に提示してくれた。
長い時を隔てているにもかかわらず、家族の抱える問題というのは大して変わっていないのだという妙な親近感と、幕末という激動の時代を生きた家族の必死な姿に励まされる。
書 名 文章の書き方 岩波新書 新赤版328
著 者 辰濃和男
出版社 岩波書店
発行年 1994年

自問してみる。

文章を何のために書くのか?それは伝える為である。
では、何を伝えるか?どのように書いたら伝わるのか?
自分にとって伝えたいものとはなんなのか?

文章を書くということは、自分を晒すようなものである。
だから、文章を読むのは面白いし、書くのは面白い。

文章の書き方と題されているが、ものの見方、考え方、表現の方法について広く考えさせてくれる一冊。単なるハウトゥ本ではない。
著者の辰濃和男氏は朝日新聞の『天声人語』の元筆者だそうだ。
内容もさることながら、ページ上に並んだ活字の濃淡のバランスが美しい。漢字とひらがなの割合が絶妙な所為だろうか?



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